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【症例】 56歳女性。
【現病歴】 2015年3月の腹部超音波検査にて膵尾部末端に嚢胞性病変を指摘され、当科初診。EUSで膵尾部に3 ㎝程の主膵管と交通する嚢胞性病変を認め、内部に12 ㎜高の結節を認めた。悪性のIPMNを疑い、当院外科で膵尾部切除術を施行した。組織診断は8 ㎜の浸潤を伴うIPMN由来浸潤癌であった。
2017年9月のCT検査で残膵体部の主膵管拡張を認め、EUSを施行。膵体部主膵管内に充満する腫瘤を認め、主膵管型IPMNを疑った。ERP/膵管鏡で体部主膵管内に限局した乳頭状隆起を認め、生検で腺癌の診断となり、膵体部切除術を施行した。組織診断はhigh-grade dysplasiaであった。2018年11月のCTで残膵頭部の主膵管拡張を指摘し、EUSを施行。主膵管に閉塞起点は無く、膵頭下部に複数の微小な拡張分枝に混在する境界不明瞭な膵実質の低エコー化のみであった。また、同時期のERCP下に採取した膵液細胞診はlow-grade IPMN疑いであった。2019年3月のCTおよびMRIで、膵頭下部に急速に明瞭化した3 ㎝径の内部に造影効果を伴う多房性嚢胞を指摘し、悪性IPMNを疑い、残膵全摘術を施行した。切除標本の組織所見ではIPMN由来浸潤癌の診断であった。最終手術後3年経過し、現在無再発生存中である。
【考察/討論点】 初診から約4年の間に多様な画像・組織形態でIPMNの再発を繰り返し、計3度の膵手術を経て膵全摘に至った症例を経験した。各腫瘍の関連性も含めて御討議頂きたい。
O-02 膵内再発を繰り返し、計3度の膵手術を経て膵全摘に至ったIPMN の1例
◯阿南 秀征、越田 真介、菅野 良秀、小川 貴央、楠瀬 寛顕、酒井 利隆、
與那嶺 圭輔、宮本 和明、野田 裕、伊藤 啓
公益財団法人 仙台市医療センター 仙台オープン病院
【症例】 56歳女性。
【現病歴】 2015年3月の腹部超音波検査にて膵尾部末端に嚢胞性病変を指摘され、当科初診。EUSで膵尾部に3 ㎝程の主膵管と交通する嚢胞性病変を認め、内部に12 ㎜高の結節を認めた。悪性のIPMNを疑い、当院外科で膵尾部切除術を施行した。組織診断は8 ㎜の浸潤を伴うIPMN由来浸潤癌であった。
2017年9月のCT検査で残膵体部の主膵管拡張を認め、EUSを施行。膵体部主膵管内に充満する腫瘤を認め、主膵管型IPMNを疑った。ERP/膵管鏡で体部主膵管内に限局した乳頭状隆起を認め、生検で腺癌の診断となり、膵体部切除術を施行した。組織診断はhigh-grade dysplasiaであった。2018年11月のCTで残膵頭部の主膵管拡張を指摘し、EUSを施行。主膵管に閉塞起点は無く、膵頭下部に複数の微小な拡張分枝に混在する境界不明瞭な膵実質の低エコー化のみであった。また、同時期のERCP下に採取した膵液細胞診はlow-grade IPMN疑いであった。2019年3月のCTおよびMRIで、膵頭下部に急速に明瞭化した3 ㎝径の内部に造影効果を伴う多房性嚢胞を指摘し、悪性IPMNを疑い、残膵全摘術を施行した。切除標本の組織所見ではIPMN由来浸潤癌の診断であった。最終手術後3年経過し、現在無再発生存中である。
【考察/討論点】 初診から約4年の間に多様な画像・組織形態でIPMNの再発を繰り返し、計3度の膵手術を経て膵全摘に至った症例を経験した。各腫瘍の関連性も含めて御討議頂きたい。
