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O-04 腎細胞癌術後経過のPET-CT が診断契機となった
膵noninvasive IOPC の1例

◯田村 崇祥1)、蘆田 玲子1)、岩元 竜太2)、川路 祐輝1)
田村 崇1)、山下 泰伸1)、幡丸 景一1)、糸永 昌弘1)、村田 晋一2)
北野 雅之1)
1)和歌山県立医科大学附属病院 第二内科、2)和歌山県立医科大学附属病院 病理診断科


【症例】 79歳 男性。
【主訴】 特になし。
【現病歴】 2013年左腎細胞癌に対し局所切除施行後、3年後に左肋骨転移が出現したため左胸骨切除術を施行。その後造影CTにて経過観察されていたが、2021年7月に左大腰筋内側に結節像を指摘された。そのためPET-CTを施行したところ膵尾部にSUV8.2の集積を認めたため、精査目的に当科紹介。
【検査所見】 造影CTでは膵尾部に平衡相で造影効果、尾側の膵管拡張を伴う病変を認めた。MRCPでは限局性の膵管拡張を認め、DWIで軽度拡散低下を認めた。EUSでは尾側の膵管拡張を伴う10.9 ㎜の低エコー腫瘤を認めた。ソナゾイド造影ではhypovascularであり、膵癌を疑いEUS-FNAを施行したところclassⅣが検出された。Kras変異陽性であり、膵癌治療目的に腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した。病理組織学的検査では主膵管内に充満する乳頭状の異型腺管を認め、MUC-5AC陽性、MUC-6陽性でありIntraductal oncocytic papillary neoplasm with high grade dysplasia(IOPC, noninvasive)(Pt, main duct type, pPCM0, pDPM0, R0)と診断した。
【考察】 腎癌術後フォロー中に診断されたnoninvasive IOPCの一例。IOPNはIPMNとは独立しているが、その根拠として、Kras変異を有さないことが指摘されている。今回はIOPCと診断したが、gastric typeが混在したoncocytic typeの可能性も否定できないと考える。
【検討項目】 IOPCの診断が適応かどうかご討議お願いします。