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症例は70歳代女性。スクリーニングの腹部USで胆嚢病変を指摘され紹介となる。腹部USでは胆嚢頚部に比較的均一な壁肥厚及びポリープ様の小隆起があり、頸部の壁肥厚は胆嚢管~総胆管まで連続していた。造影CTでは胆嚢及び肝門部領域胆管の均一な壁肥厚を認めた。EUSでは腹部US同様、胆嚢頸部にポリープ様の小隆起を認めた。ERCでは肝門部領域~遠位胆管まで壁不整を認め、胆管内および胆嚢頚部には斑状透亮像を散見し、ポリープ様の小隆起病変の存在が疑われた。IDUSでは胆管上皮は不整に肥厚・隆起していたが、壁外への浸潤所見は認めなかった。ENGBDからの胆汁細胞診はClassⅢ、遠位胆管からの透視下生検では粘膜固有層でリンパ濾胞の過形成を認め、CD20陽性B細胞とCD3陽性T細胞が混在しておりリンパ腫の所見は認めなかった。画像所見からは胆嚢癌やIgG4関連硬化性胆管炎を鑑別に考えたが、胆嚢と連続する胆管病変からの生検はリンパ濾胞の過形成の所見であり、確定診断目的に腹腔鏡下胆嚢切除術を選択した。肉眼所見では胆嚢内にポリープ様隆起が集簇し、病理所見では胆管生検と同様にリンパ濾胞の過形成を示し、胆嚢管切除断端にも同様の所見を認めた。以上より、胆嚢から胆管に連続するLymphoid hyperplasiaと診断した。
Lymphoid hyperplasiaは胆道での報告例は限られている。本症例は胆嚢と胆管両方から同様の病理所見が得られた症例であり、診断に矛盾がないか検討頂きたい。
O-05 胆嚢から胆管に連続したポリープ様隆起性病変の一例
◯宮本 和也1)2)
1)津山中央病院 内科、2)岡山大学病院 消化器内科
症例は70歳代女性。スクリーニングの腹部USで胆嚢病変を指摘され紹介となる。腹部USでは胆嚢頚部に比較的均一な壁肥厚及びポリープ様の小隆起があり、頸部の壁肥厚は胆嚢管~総胆管まで連続していた。造影CTでは胆嚢及び肝門部領域胆管の均一な壁肥厚を認めた。EUSでは腹部US同様、胆嚢頸部にポリープ様の小隆起を認めた。ERCでは肝門部領域~遠位胆管まで壁不整を認め、胆管内および胆嚢頚部には斑状透亮像を散見し、ポリープ様の小隆起病変の存在が疑われた。IDUSでは胆管上皮は不整に肥厚・隆起していたが、壁外への浸潤所見は認めなかった。ENGBDからの胆汁細胞診はClassⅢ、遠位胆管からの透視下生検では粘膜固有層でリンパ濾胞の過形成を認め、CD20陽性B細胞とCD3陽性T細胞が混在しておりリンパ腫の所見は認めなかった。画像所見からは胆嚢癌やIgG4関連硬化性胆管炎を鑑別に考えたが、胆嚢と連続する胆管病変からの生検はリンパ濾胞の過形成の所見であり、確定診断目的に腹腔鏡下胆嚢切除術を選択した。肉眼所見では胆嚢内にポリープ様隆起が集簇し、病理所見では胆管生検と同様にリンパ濾胞の過形成を示し、胆嚢管切除断端にも同様の所見を認めた。以上より、胆嚢から胆管に連続するLymphoid hyperplasiaと診断した。
Lymphoid hyperplasiaは胆道での報告例は限られている。本症例は胆嚢と胆管両方から同様の病理所見が得られた症例であり、診断に矛盾がないか検討頂きたい。
