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症例は、60歳台女性。X-13年に膵体部の8 ㎜大の単房性嚢胞性病変を契機に受診され、半年毎にEUS/MRCPでフォローしていた。
X-3年のEUSで膵尾部に3.7 ㎜大の境界不明瞭な低エコー領域を認めた。X-2年は著変なく、X-1年に境界が明瞭化し、6 ㎜大に増大していた。EUS-FNAを施行したが、診断困難だった。4か月後に撮像したMRCPで膵尾部の主膵管狭窄および狭窄後拡張が出現し、X年1月にEUS-FNAを再検したが、診断困難だった。X年4月のCTでは膵尾部の主膵管拡張は認めるも、腫瘤は指摘できなかった。X年7月にEUSを再検したところ、膵尾部の腫瘤性病変から連続する下流側への主膵管内病変が出現していた。主膵管内病変を伴うpNETやAcinar cell carcinomaが鑑別にあがり、手術の方針とし、X年9月に腹腔鏡下膵体尾部脾臓合併切除術を施行した。術後標本造影では、20 ㎜長におよぶ主膵管内病変を認めた。
病理所見は、8×7 ㎜大の充実性腫瘤を認め、類円形核を有する比較的均一な異型細胞が索状・リボン状の形態を示しながら増殖し、ChromograninA(+),Synaptophisin(+),Ki-67LI 10%程度であり、主膵管内にも約20 ㎜にわたって病変を認めた。最終診断は、pNET G2 pT1N0M0 StageⅠだった。
本例は主膵管内病変を伴う8 ㎜大のsmall pNET G2の症例であり、後方視的にEUS画像経過の振り返りが可能な貴重な症例であると考える。治療方針や画像診断、病理所見についてご討論いただきたい。
PS-3(O-11) 超音波内視鏡の画像変化を知り得たsmall pNET G2の1例
◯奥野 のぞみ1)、水野 伸匡1)、羽場 真1)、桑原 崇通1)、
倉石 康弘1)、夏目 誠治2)、奥野 正隆2)、清水 泰博2)、
細田 和貴3)、原 和生1)
1)愛知県がんセンター 消化器内科部、2)愛知県がんセンター 消化器外科部、3)愛知県がんセンター 遺伝子病理診断部
症例は、60歳台女性。X-13年に膵体部の8 ㎜大の単房性嚢胞性病変を契機に受診され、半年毎にEUS/MRCPでフォローしていた。
X-3年のEUSで膵尾部に3.7 ㎜大の境界不明瞭な低エコー領域を認めた。X-2年は著変なく、X-1年に境界が明瞭化し、6 ㎜大に増大していた。EUS-FNAを施行したが、診断困難だった。4か月後に撮像したMRCPで膵尾部の主膵管狭窄および狭窄後拡張が出現し、X年1月にEUS-FNAを再検したが、診断困難だった。X年4月のCTでは膵尾部の主膵管拡張は認めるも、腫瘤は指摘できなかった。X年7月にEUSを再検したところ、膵尾部の腫瘤性病変から連続する下流側への主膵管内病変が出現していた。主膵管内病変を伴うpNETやAcinar cell carcinomaが鑑別にあがり、手術の方針とし、X年9月に腹腔鏡下膵体尾部脾臓合併切除術を施行した。術後標本造影では、20 ㎜長におよぶ主膵管内病変を認めた。
病理所見は、8×7 ㎜大の充実性腫瘤を認め、類円形核を有する比較的均一な異型細胞が索状・リボン状の形態を示しながら増殖し、ChromograninA(+),Synaptophisin(+),Ki-67LI 10%程度であり、主膵管内にも約20 ㎜にわたって病変を認めた。最終診断は、pNET G2 pT1N0M0 StageⅠだった。
本例は主膵管内病変を伴う8 ㎜大のsmall pNET G2の症例であり、後方視的にEUS画像経過の振り返りが可能な貴重な症例であると考える。治療方針や画像診断、病理所見についてご討論いただきたい。
