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【症例】 78歳男性。X-2年10月に膵・胆管合流異常症合併胆嚢癌に対して拡大胆嚢摘出、肝外胆道切除術が施行された(pT3aN0M0, StageⅢA)。術後は腎機能障害のため6ヶ月毎の単純MRIフォローとなった。X年2月からCA19-9が上昇傾向となり、X年9月のMRIでは腫瘤を指摘できないものの、膵臓全体が拡散能低下を示したため精査となった。EUSでは膵全体の主膵管及び分枝膵管内に低エコー腫瘤が充満しているように観察され、明らかな膵外浸潤はないと判断した。造影CTでは膵全体が不均一に造影された。内視鏡的には主乳頭からの粘液の排出はなかった。ERPで共通管にカニ爪状の欠損像を認め、膵液セルブロックにて管状及び乳頭状の異型上皮を認めた。膵全体のIntraductal tubulopapillary carcinoma(ITPC),noninvasive, cT1N0M0, StageIAと診断し、X年11月に膵全摘術が施行された。組織学的には粘液僅少で均一な異型細胞が管状及び乳頭状構造を示し、膵全体の主膵管及び分枝膵管内に鋳型状に発育していた。一部で膵前方脂肪組織への微小浸潤を認めた。よってITPC, invasive, pT3N0M0, pStageIIAと最終診断した。遡及的なMRCP評価では、X-1年6月以降に主膵管が複数箇所で認識不能となり、経時的に主膵管の描出範囲が縮小していた。
【検討事項】 MRCPの経時的変化からみた腫瘍の発育進展、腫瘍指摘可能時期、病理診断の妥当性についてご検討いただきたい。
PS-4(O-12) 膵全体に発育し微小浸潤を伴ったIntraductal tubulopapillary carcinoma の1例
◯伊藤 唯1)、比佐 岳史1)、西山 秀1)、工藤 彰治1)、山田 崇裕1)、
大瀬良 省三1)、友利 彰寿1)、福島 秀樹1)、荒川 愛子2)、恩田 真二3)
1)JA 長野厚生連 佐久医療センター 消化器内科、2)JA 長野厚生連 佐久医療センター 臨床病理部、3)JA 長野厚生連 佐久医療センター 消化器外科
【症例】 78歳男性。X-2年10月に膵・胆管合流異常症合併胆嚢癌に対して拡大胆嚢摘出、肝外胆道切除術が施行された(pT3aN0M0, StageⅢA)。術後は腎機能障害のため6ヶ月毎の単純MRIフォローとなった。X年2月からCA19-9が上昇傾向となり、X年9月のMRIでは腫瘤を指摘できないものの、膵臓全体が拡散能低下を示したため精査となった。EUSでは膵全体の主膵管及び分枝膵管内に低エコー腫瘤が充満しているように観察され、明らかな膵外浸潤はないと判断した。造影CTでは膵全体が不均一に造影された。内視鏡的には主乳頭からの粘液の排出はなかった。ERPで共通管にカニ爪状の欠損像を認め、膵液セルブロックにて管状及び乳頭状の異型上皮を認めた。膵全体のIntraductal tubulopapillary carcinoma(ITPC),noninvasive, cT1N0M0, StageIAと診断し、X年11月に膵全摘術が施行された。組織学的には粘液僅少で均一な異型細胞が管状及び乳頭状構造を示し、膵全体の主膵管及び分枝膵管内に鋳型状に発育していた。一部で膵前方脂肪組織への微小浸潤を認めた。よってITPC, invasive, pT3N0M0, pStageIIAと最終診断した。遡及的なMRCP評価では、X-1年6月以降に主膵管が複数箇所で認識不能となり、経時的に主膵管の描出範囲が縮小していた。
【検討事項】 MRCPの経時的変化からみた腫瘍の発育進展、腫瘍指摘可能時期、病理診断の妥当性についてご検討いただきたい。
