室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。
症例は80 歳男性。当院泌尿器科で腎癌および前立腺癌の治療を行い経過観察されていた。経過中肝機能障害を認め、当科を紹介受診した。スクリーニング目的でconvex-EUS が施行された。EUS の所見では、膵体部に内部に結節を伴う嚢胞性病変が指摘された。造影CT の所見は、体部に膵外に突出する嚢胞性病変を認め、内部に造影される結節を有しており、また造影が遷延された。MRCP では腹部CT と同様に、病変は膵外に突出する嚢胞性病変として認識され、主膵管との交通は不明瞭であった。上記より術前診断は、結節を有するIPMNと診断された。
当院外科にて腹腔鏡下膵体尾部切除術が施行され、切除病理診断にて、嚢胞は重層扁平上皮で被覆されており、嚢胞外側に濾胞を伴うリンパ組織がみられた。これにより最終病理診断は、膵リンパ上皮性嚢胞であった。
本症例において、術前に膵リンパ上皮嚢胞と診断で可能であるかどうか。また術前診断として追加可能な検査手段について御検討、御討議して頂きたい。
P-05 結節を伴うIPMN と鑑別が困難であった膵リンパ上皮嚢胞の1例
○倉岡 直亮1)、氏原 哲郎1)、笠原 大海1)、橋本 哲1)、
齋藤 徹也2)、石戸 保典2)、佐藤 英章3)、松井 茂1)
1)埼玉県済生会川口総合病院 消化器内科、2)埼玉県済生会川口総合病院 外科、3)埼玉県済生会川口総合病院 病理診断科
症例は80 歳男性。当院泌尿器科で腎癌および前立腺癌の治療を行い経過観察されていた。経過中肝機能障害を認め、当科を紹介受診した。スクリーニング目的でconvex-EUS が施行された。EUS の所見では、膵体部に内部に結節を伴う嚢胞性病変が指摘された。造影CT の所見は、体部に膵外に突出する嚢胞性病変を認め、内部に造影される結節を有しており、また造影が遷延された。MRCP では腹部CT と同様に、病変は膵外に突出する嚢胞性病変として認識され、主膵管との交通は不明瞭であった。上記より術前診断は、結節を有するIPMNと診断された。
当院外科にて腹腔鏡下膵体尾部切除術が施行され、切除病理診断にて、嚢胞は重層扁平上皮で被覆されており、嚢胞外側に濾胞を伴うリンパ組織がみられた。これにより最終病理診断は、膵リンパ上皮性嚢胞であった。
本症例において、術前に膵リンパ上皮嚢胞と診断で可能であるかどうか。また術前診断として追加可能な検査手段について御検討、御討議して頂きたい。