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P-06 膵全摘術を施行した主膵管型IPMC の1例

○立川 勝子1)、植木 敏晴1)、野間 栄次郎1)、丸尾 達1)
永山 林太郎1)、土居 雅宗1)、平塚 裕晃1)、田中 利幸1)、田邉 寛2)
二村 聡2)
1)福岡大学筑紫病院 消化器内科、2)福岡大学筑紫病院 病理部


【症例】 70 代女性。胸痛のため循環器内科入院中、腹部超音波検査で膵管拡張を指摘された。基礎疾患に慢性甲状腺炎、シェーグレン症候群あり。腹部超音波検査では、主膵管はびまん性に著明な拡張(径16 ㎜)を呈し、主膵管内腔に複数の乳頭状隆起を認めた。EUS でも同様に主膵管はびまん性に拡張し、内腔に乳頭状に発育した壁在結節があり、結節はペルフルブタン造影で早期に濃染された。頭部主膵管には結節はなかったが、壁が著明に肥厚していた。ERCP では、膵管口の開大を認め、膵管内に粘液と壁在結節を示唆する多数の陰性欠損を認めた。経口膵管鏡では体部からイクラ状の隆起性病変が充満していた。隆起性病変から生検し、病理結果はIntraductal papillary mucinous adenoma の診断であった。high-risk stigmata 陽性であり、外科切除の方針とし、幽門輪温存膵全摘術を施行した。病理結果は以下の通りであった。
 Intraductal papillary mucinous carcinoma, non-invasive, (epithelial neoplasm of borderline malignancy and/or very well differentiated adenocarcinoma in adenoma with moderate atypia, most likely)in the main pancreatic duct, gastric type, Pb, TS1(17 × 12 ㎜),ductectatic type, pTis
【検討して頂きたい点】 膵全摘術を選択したが、体尾部切除も選択肢であったか。画像検査から、癌の局在や組織亜型の推測は可能であったか。