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【症例】 70 歳代、女性。
【既往】 好酸球増多症、気管支喘息。
【現病歴】 胆管ポリープに対し腹部超音波検査にて経過観察中、膵体部に低エコー腫瘤がみられた。超音波内視鏡検査でも膵体部に約20 ㎜大の早期相で造影される低エコー腫瘤がみられたが、膵頭体尾部にも5 ~ 10 ㎜大の低エコー腫瘤が散在性に見られた。MRCP では膵体部の主膵管狭窄と尾側膵管の軽度拡張が見られ、膵体部腫瘤はT1WI ややlow、T2WI ややhigh、DWI high、ADC low を呈し、造影MRI では早期相で乏血性だが後期相で周囲膵と同様に造影がみられた。また膵頭部から膵尾部にかけてDWI high が複数みられたが、PETCTでは膵体部腫瘤にのみPET 集積がみられた。高IgG 血症がみられるも膵腫瘍マーカーや血清IgG4 の上昇は見られず、EUS-FNA を施行するも悪性所見は見られなかった。線維成分の増生と形質細胞浸潤が見られたが、IgG4 陽性形質細胞はほとんど見られなかった。膵腫瘤の増大がみられ、IgG4 陰性であったが多発性自己免疫性膵炎の可能性を考え、ステロイドトライアルとしてPSL 30 ㎎より治療を開始したところ、多発性膵腫瘤の消失と膵管狭窄の改善が見られた。現在PSL 漸減継続し外来にて経過観察中だが再発はみられていない。
【検討項目】 IgG4 陰性で多発性に膵腫瘤を形成した自己免疫性膵炎の報告は少なく、自己免疫性膵炎としてよい
かご検討をお願い致します。
P-10 診断に苦慮した多発性自己免疫性膵炎と考えられた1例
○吉川 成一、土井 智裕、夏井 大輝、神保 遼、永山 逸夫、盛田 景介、
高綱 将史、小林 雄司、三浦 努、竹内 学
長岡赤十字病院 消化器内科
【症例】 70 歳代、女性。
【既往】 好酸球増多症、気管支喘息。
【現病歴】 胆管ポリープに対し腹部超音波検査にて経過観察中、膵体部に低エコー腫瘤がみられた。超音波内視鏡検査でも膵体部に約20 ㎜大の早期相で造影される低エコー腫瘤がみられたが、膵頭体尾部にも5 ~ 10 ㎜大の低エコー腫瘤が散在性に見られた。MRCP では膵体部の主膵管狭窄と尾側膵管の軽度拡張が見られ、膵体部腫瘤はT1WI ややlow、T2WI ややhigh、DWI high、ADC low を呈し、造影MRI では早期相で乏血性だが後期相で周囲膵と同様に造影がみられた。また膵頭部から膵尾部にかけてDWI high が複数みられたが、PETCTでは膵体部腫瘤にのみPET 集積がみられた。高IgG 血症がみられるも膵腫瘍マーカーや血清IgG4 の上昇は見られず、EUS-FNA を施行するも悪性所見は見られなかった。線維成分の増生と形質細胞浸潤が見られたが、IgG4 陽性形質細胞はほとんど見られなかった。膵腫瘤の増大がみられ、IgG4 陰性であったが多発性自己免疫性膵炎の可能性を考え、ステロイドトライアルとしてPSL 30 ㎎より治療を開始したところ、多発性膵腫瘤の消失と膵管狭窄の改善が見られた。現在PSL 漸減継続し外来にて経過観察中だが再発はみられていない。
【検討項目】 IgG4 陰性で多発性に膵腫瘤を形成した自己免疫性膵炎の報告は少なく、自己免疫性膵炎としてよい
かご検討をお願い致します。