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【症例】 18 歳、男性。
【現病歴】 夜半就寝中に突然の腹痛にて救急要請。初診医療機関腹部CT にて膵頭部から鉤部に低吸収腫瘤をみとめ、嚢胞内出血を疑われ精査加療目的に当科転院。初診時は既に腹痛消失し、特異的な身体所見を認めなかった。
【画像検査】 dynamic CT では膵頭部から膵鉤部に境界明瞭な33 ㎜径の腫瘤性病変をみとめ、内部は造影前25HU、造影早期42HU、平衡相62HU と辺縁優位な緩徐な造影効果を認めた。Dynamic MRI ではT1W1 高信号を呈し、超音波内視鏡では辺縁凹凸の少ない不整な低~等エコー腫瘤、皮膜形成なく内部エコーは一部で不均一であった。経過中腫瘍サイズの急速な増大や内部エコーの変化を認め、solid pseudopapillary neoplasia に嚢胞内出血を併発した病態と考え、急性症状もあったことから外科的切除方針とした。
【手術】 腹腔鏡下膵部分切除を行った術中ERCP では膵鉤部枝のみの造影であったが、術前腹乳頭と背側膵管、主膵管の交通は確認していることか排出経路は確保されていると判断した。
【病理】 Melanotic schwannoma。
【経過】 術後11 か月で左片麻痺発症、ラクナ梗塞が明らかとなる。原因検索にて左心房粘液腫瘍が確認され心血管外科にて腫瘍摘出。以上の病歴より診断基準主要2 項目を満たし、カーニー複合と診断された。
【結語】 カーニー複合は多発性腫瘍症候群であるが、膵腫瘍としては極めて希であり報告する。
P-13 カーニー複合による膵腫瘍の1例
○古川 浩一1)、横山 直行2)、橋立 英樹3)
1)新潟市民病院 医療技術部、2)新潟市民病院 消化器外科、3)新潟市民病院 病理科
【症例】 18 歳、男性。
【現病歴】 夜半就寝中に突然の腹痛にて救急要請。初診医療機関腹部CT にて膵頭部から鉤部に低吸収腫瘤をみとめ、嚢胞内出血を疑われ精査加療目的に当科転院。初診時は既に腹痛消失し、特異的な身体所見を認めなかった。
【画像検査】 dynamic CT では膵頭部から膵鉤部に境界明瞭な33 ㎜径の腫瘤性病変をみとめ、内部は造影前25HU、造影早期42HU、平衡相62HU と辺縁優位な緩徐な造影効果を認めた。Dynamic MRI ではT1W1 高信号を呈し、超音波内視鏡では辺縁凹凸の少ない不整な低~等エコー腫瘤、皮膜形成なく内部エコーは一部で不均一であった。経過中腫瘍サイズの急速な増大や内部エコーの変化を認め、solid pseudopapillary neoplasia に嚢胞内出血を併発した病態と考え、急性症状もあったことから外科的切除方針とした。
【手術】 腹腔鏡下膵部分切除を行った術中ERCP では膵鉤部枝のみの造影であったが、術前腹乳頭と背側膵管、主膵管の交通は確認していることか排出経路は確保されていると判断した。
【病理】 Melanotic schwannoma。
【経過】 術後11 か月で左片麻痺発症、ラクナ梗塞が明らかとなる。原因検索にて左心房粘液腫瘍が確認され心血管外科にて腫瘍摘出。以上の病歴より診断基準主要2 項目を満たし、カーニー複合と診断された。
【結語】 カーニー複合は多発性腫瘍症候群であるが、膵腫瘍としては極めて希であり報告する。