室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。
【症例】 67 歳、女性。主訴:自覚症状なし。既往歴:32 年前に卵巣腫瘍手術、10 年前に髄膜腫の手術既往を認めた。現病歴:4 か月前に近医で検診の腹部エコー検査で膵頭部腫瘤を指摘され当院紹介となった。血液検査ではAmy 162U/L と軽度高値であったがCEA, CA19-9, DUPAN2 はいずれも基準値内であった。CT, MRI で膵頭部に15 ㎜大、膵尾部に20 ㎜大の軽度造影される腫瘤を認めた。2 か所の膵腫瘤に対しEUS-FNA を施行し、いずれも短紡錘形細胞の腫瘍でロゼット様配列を認め、CD34 陽性、STAT6 陽性でありsolitary fibrous tumor(SFT)と診断された。CT, MRI 上は膵外に明らかな病変は指摘されず、多発性の膵腫瘍(SFT)と診断し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術後病理診断で2 病変とも術前EUS-FNA の検体と同様の病理所見であった。膵原発SFT は稀であり、また、本症例は多発性であったことから、10 年前に他院で手術施行された脳腫瘍の標本と膵腫瘍を病理組織学的に再検討した。その結果、形態的に脳腫瘍と膵腫瘍は類似しており、いずれもCD34 とSTAT6 陽性であったことから、髄膜腫と診断された腫瘍は中枢神経系のSFT であり、膵腫瘍は転移性膵腫瘍と診断された。
【検討項目】 転移性膵腫瘍のなかでSFT は稀であり、術前画像検査でどこまで診断可能であったかを検討頂きたい。
P-14 転移性膵solitary brous tumor の1例
○高野 可赴1)、峠 弘治1)、野村 達也1)、塩路 和彦2)
1)新潟県立がんセンター新潟病院 消化器外科、2)新潟県立がんセンター新潟病院 内科
【症例】 67 歳、女性。主訴:自覚症状なし。既往歴:32 年前に卵巣腫瘍手術、10 年前に髄膜腫の手術既往を認めた。現病歴:4 か月前に近医で検診の腹部エコー検査で膵頭部腫瘤を指摘され当院紹介となった。血液検査ではAmy 162U/L と軽度高値であったがCEA, CA19-9, DUPAN2 はいずれも基準値内であった。CT, MRI で膵頭部に15 ㎜大、膵尾部に20 ㎜大の軽度造影される腫瘤を認めた。2 か所の膵腫瘤に対しEUS-FNA を施行し、いずれも短紡錘形細胞の腫瘍でロゼット様配列を認め、CD34 陽性、STAT6 陽性でありsolitary fibrous tumor(SFT)と診断された。CT, MRI 上は膵外に明らかな病変は指摘されず、多発性の膵腫瘍(SFT)と診断し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術後病理診断で2 病変とも術前EUS-FNA の検体と同様の病理所見であった。膵原発SFT は稀であり、また、本症例は多発性であったことから、10 年前に他院で手術施行された脳腫瘍の標本と膵腫瘍を病理組織学的に再検討した。その結果、形態的に脳腫瘍と膵腫瘍は類似しており、いずれもCD34 とSTAT6 陽性であったことから、髄膜腫と診断された腫瘍は中枢神経系のSFT であり、膵腫瘍は転移性膵腫瘍と診断された。
【検討項目】 転移性膵腫瘍のなかでSFT は稀であり、術前画像検査でどこまで診断可能であったかを検討頂きたい。