室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。
症例は60歳代男性. X-3年に下行結腸癌に対して腹腔鏡下下行結腸切除+D3 郭清を施行,T3N1aM0, pStageⅢbの病理診断となり,術後補助化学療法を完遂し,経過観察を行っていた.X年のCT検査にて膵頭部腫瘤がみられたため,造影CT検査を施行. 辺縁不整で境界明瞭な40mm大の充実性腫瘤として描出され,造影効果は動脈相から平衡相にかけて増強し,一部でやや不均一であった. また, 総胆管と主膵管は腫瘤による圧排/狭窄を呈し,肝内胆管および尾側主膵管の拡張がみられた. MRI検査では, 同腫瘤はT2強調像において淡い高信号,T1強調像では低信号,拡散強調像では腫瘤全体が著明な高信号を呈し,ADCは低値を示していた.EUSにおいては,34×31mm大,辺縁やや不整で境界明瞭,内部は点状高エコー・血流を伴うほぼ均一な低エコー性腫瘤としてみられた.胆管と膵管は腫瘤辺縁で圧排され,膵管壁の一部は腫瘤により不明瞭であった.EUS-FNAによる病理学的所見では, 核はクロマチン濃染性,小型で均一,免疫染色ではβCatenin陽性で,形態形質からSPNと診断し,外科的切除を施行.腫瘍は44×35×40mmで膵頭部から乳頭部に及び,総胆管および主膵管を高度に圧排して,主膵管の一部に腫瘍は露出していた.免疫染色では,β-Catenin陽性,Chromogranin A陰性,Synaptophysin陰性,Ki-67LIはhot spotで63%と著明な高値を示した.中年男性に発生し,高い細胞分裂能を有する点で,稀な腫瘍と考えられた.
O-07 Malignant potentialを有するSolid-pseudo papillary neoplasmの1例
○岸 法磨、桒谷 将城、野澤 俊一郎、米村 洋輝、永井 孝輔、杉浦 諒、川久保 和道、坂本 直哉
北海道大学病院 消化器内科
症例は60歳代男性. X-3年に下行結腸癌に対して腹腔鏡下下行結腸切除+D3 郭清を施行,T3N1aM0, pStageⅢbの病理診断となり,術後補助化学療法を完遂し,経過観察を行っていた.X年のCT検査にて膵頭部腫瘤がみられたため,造影CT検査を施行. 辺縁不整で境界明瞭な40mm大の充実性腫瘤として描出され,造影効果は動脈相から平衡相にかけて増強し,一部でやや不均一であった. また, 総胆管と主膵管は腫瘤による圧排/狭窄を呈し,肝内胆管および尾側主膵管の拡張がみられた. MRI検査では, 同腫瘤はT2強調像において淡い高信号,T1強調像では低信号,拡散強調像では腫瘤全体が著明な高信号を呈し,ADCは低値を示していた.EUSにおいては,34×31mm大,辺縁やや不整で境界明瞭,内部は点状高エコー・血流を伴うほぼ均一な低エコー性腫瘤としてみられた.胆管と膵管は腫瘤辺縁で圧排され,膵管壁の一部は腫瘤により不明瞭であった.EUS-FNAによる病理学的所見では, 核はクロマチン濃染性,小型で均一,免疫染色ではβCatenin陽性で,形態形質からSPNと診断し,外科的切除を施行.腫瘍は44×35×40mmで膵頭部から乳頭部に及び,総胆管および主膵管を高度に圧排して,主膵管の一部に腫瘍は露出していた.免疫染色では,β-Catenin陽性,Chromogranin A陰性,Synaptophysin陰性,Ki-67LIはhot spotで63%と著明な高値を示した.中年男性に発生し,高い細胞分裂能を有する点で,稀な腫瘍と考えられた.
