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【症例】78歳男性。
【主訴】なし。
【既往歴】間質性肺炎、大腸癌。
【嗜好歴】飲酒 機会飲酒、喫煙 なし。
【現病歴】2022年8月、CA19-9の上昇を契機に主膵管拡張を指摘され、微小膵癌の疑いで当院に紹介された。CTおよびMRCPでは膵尾部に主膵管狭窄と径8.0mm尾側主膵管の拡張を認めたが、腫瘤は指摘できなかった。EUSでは狭窄部周囲に淡い低エコー域を認めたが、やはり腫瘤は指摘できなかった。このため、微小膵癌を疑いERPを実施。膵管造影では膵尾部に既知の主膵管狭窄を認め、SPACEにて陽性の診断を得た。このため、膵体尾部切除術を行い、Stage 0(TisN0M0)膵癌の最終診断となった。興味深いことに、本症例は間質性肺炎および大腸癌治療後の経過観察のため、89ヶ月前から約1年ごとに定期的にCTが撮像されていた。これらの過去画像の後方視的評価では、71ヶ月前から将来の膵癌発生部位と一致する箇所に片側性の限局性膵実質萎縮が出現し、さらに47ヶ月前には両側性の限局性萎縮に進行し、かつ主膵管拡張が出現。そして、21ヶ月前から実質萎縮が尾側全体広がる経過を追うことができた。臨床上の疑問として、この約6年にわたる膵実質の形態変化が癌に伴う変化であるかについて議論していただきたい。
PS-3(O-12) 主膵管拡張に先行した限局性膵実質萎縮が長期経過で尾側全体萎縮に移行する経過を追えた膵上皮内癌の1例
○山雄 健太郎1)、石川 卓哉1)、水谷 泰之1)、飯田 忠1)、植月 康太1)、宜保 憲明1)、森 裕1)、片岡 邦夫1)、竹原 康雄2)、川嶋 啓揮1)
1)名古屋大学医学部附属病院 消化器内科、2)名古屋大学 放射線医学教室
【症例】78歳男性。
【主訴】なし。
【既往歴】間質性肺炎、大腸癌。
【嗜好歴】飲酒 機会飲酒、喫煙 なし。
【現病歴】2022年8月、CA19-9の上昇を契機に主膵管拡張を指摘され、微小膵癌の疑いで当院に紹介された。CTおよびMRCPでは膵尾部に主膵管狭窄と径8.0mm尾側主膵管の拡張を認めたが、腫瘤は指摘できなかった。EUSでは狭窄部周囲に淡い低エコー域を認めたが、やはり腫瘤は指摘できなかった。このため、微小膵癌を疑いERPを実施。膵管造影では膵尾部に既知の主膵管狭窄を認め、SPACEにて陽性の診断を得た。このため、膵体尾部切除術を行い、Stage 0(TisN0M0)膵癌の最終診断となった。興味深いことに、本症例は間質性肺炎および大腸癌治療後の経過観察のため、89ヶ月前から約1年ごとに定期的にCTが撮像されていた。これらの過去画像の後方視的評価では、71ヶ月前から将来の膵癌発生部位と一致する箇所に片側性の限局性膵実質萎縮が出現し、さらに47ヶ月前には両側性の限局性萎縮に進行し、かつ主膵管拡張が出現。そして、21ヶ月前から実質萎縮が尾側全体広がる経過を追うことができた。臨床上の疑問として、この約6年にわたる膵実質の形態変化が癌に伴う変化であるかについて議論していただきたい。
