室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。
80歳男性、1年前にMRCPで総胆管結石の診断で内視鏡治療を受けたが排石なく経過観察、その後drop outした。
【経過】黄疸を認め紹介受診。血液検査では肝機能障害、CA19-9の上昇を認めた。腹部造影CT、MRCPでは三管合流部を中心に胆管内を充満する乳頭結節状腫瘤を認め左肝管まで進展を認めた。また遠位胆管内にも腫瘍像あり膵管途絶像を伴い腫瘍進展が疑われた。EUSでも病変範囲は同様の所見であり周囲浸潤所見は認めず乳頭部でも膵実質浸潤を認めなかった。ERCでは露出型乳頭部癌の所見なく総胆管全体に乳頭状腫瘍透亮像を複数認め左右泣き別れの肝門部胆管閉塞を伴っていた。胆管内腫瘍生検にて複数箇所から同様な高分化腺癌の所見を認めた。広範進展した胆管癌の診断で肝拡大左葉合併膵頭十二指腸切除術を行なった。
【病理所見】肝門部胆管から胆嚢管、遠位胆管、乳頭部胆管・膵管、主膵管にかけて連続した乳頭状増殖を示す高分化腺癌を認めた。粘液産生は乏しかった。大半は粘膜内増殖で一部に線維筋層への浸潤を認めたが管外への浸潤は認めなかった。主膵管内の腫瘍組織像も胆管病変と同等であった。IPNB(typeⅡ)associated with an invasive carcinoma, pT1b(FM),N0,M0と診断した。免疫染色ではMUC1一部陽性、MUC2陰性、MUC5AC一部陽性、MUC6陽性で表現型は胆膵型と考えた。
【討論いただきたいポイント】①TypeⅡ IPNBで良いか(表現型含め)②一年前のMRCPを含めた画像所見
O-16 主膵管まで広範に表層進展したTypeⅡ IPNBの1例
○森田 慎一1)、武田 信俊1)、山﨑 文紗子1)、横山 邦彦1)、佐藤 公俊1)、熊木 大輔1)、青野 高志2)、鈴木 晋2)、丸山 智宏2)、酒井 剛3)
1)新潟県立中央病院 消化器内科、2)新潟県立中央病院 外科、3)新潟県立中央病院 病理診断科
80歳男性、1年前にMRCPで総胆管結石の診断で内視鏡治療を受けたが排石なく経過観察、その後drop outした。
【経過】黄疸を認め紹介受診。血液検査では肝機能障害、CA19-9の上昇を認めた。腹部造影CT、MRCPでは三管合流部を中心に胆管内を充満する乳頭結節状腫瘤を認め左肝管まで進展を認めた。また遠位胆管内にも腫瘍像あり膵管途絶像を伴い腫瘍進展が疑われた。EUSでも病変範囲は同様の所見であり周囲浸潤所見は認めず乳頭部でも膵実質浸潤を認めなかった。ERCでは露出型乳頭部癌の所見なく総胆管全体に乳頭状腫瘍透亮像を複数認め左右泣き別れの肝門部胆管閉塞を伴っていた。胆管内腫瘍生検にて複数箇所から同様な高分化腺癌の所見を認めた。広範進展した胆管癌の診断で肝拡大左葉合併膵頭十二指腸切除術を行なった。
【病理所見】肝門部胆管から胆嚢管、遠位胆管、乳頭部胆管・膵管、主膵管にかけて連続した乳頭状増殖を示す高分化腺癌を認めた。粘液産生は乏しかった。大半は粘膜内増殖で一部に線維筋層への浸潤を認めたが管外への浸潤は認めなかった。主膵管内の腫瘍組織像も胆管病変と同等であった。IPNB(typeⅡ)associated with an invasive carcinoma, pT1b(FM),N0,M0と診断した。免疫染色ではMUC1一部陽性、MUC2陰性、MUC5AC一部陽性、MUC6陽性で表現型は胆膵型と考えた。
【討論いただきたいポイント】①TypeⅡ IPNBで良いか(表現型含め)②一年前のMRCPを含めた画像所見
