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【症例】当院初診時年齢は77歳。偶発的に膵尾部限局性萎縮が指摘され紹介。
【初診時画像検査】CT:膵尾部に限局性の萎縮を認める。EUS:膵尾部で膵実質の菲薄化し、同部で主膵管は不明瞭となる。淡い低エコーや低エコー腫瘤は指摘できない。尾側の主膵管は2mmと軽度拡張。MRCP:膵萎縮部に一致して膵管の狭窄を認める。
【初診時方針】膵尾部CISを疑いSPACEを行った。癌ほどの異型度を呈する細胞は認めず、細胞診class3aの判断であった。CISを強く疑っていたため再度SPACEを行うも同様の結果であり、非腫瘍性病変や低異形度PanINまでの病態と考え6か月ごとの画像検査での経過観察とした。
【手術前画像検査】初診より3年6か月後、画像変化を認めたため各種検査を再検した。CT:萎縮の範囲の増大を認める。MRI:尾側の主膵管の拡張のわずかな増悪を認める。狭窄部に腫瘤は認めず、DWIで信号低下をきたす領域は認めない。EUS:主膵管拡張の軽度の増悪と狭窄部に一致して淡い低エコー領域の出現を認める。
【方針】以上よりCISやTS1膵癌への進展を考え、SPACEの再検を行った。細胞診にて癌疑い(class3b)が検出され、膵体尾部切除術を行った。病理組織学的に狭窄部を中心に4㎝の範囲でCISを認め、また狭窄部に一致して高度の膵実質の萎縮/線維化を認めた。浸潤癌は認めなかった。
【検討項目】初回/2回目の細胞診と3回目の細胞診で悪性度に増悪は認めますか。当院の方針の妥当性はいかがですか。
O-13 膵上皮内癌を疑う間接所見を初指摘後、3年6か月の経過で間接所見の増悪を認めCISの診断に至った1切除例
○佐藤 辰宣1)、遠藤 伸也1)、白根 尚文1)、川口 真矢1)、高木 哲彦2)、金本 秀行2)、安田 和世3)
1)静岡県立総合病院 肝胆膵内科、2)静岡県立総合病院 肝胆膵外科、3)静岡県立総合病院 病理診断科
【症例】当院初診時年齢は77歳。偶発的に膵尾部限局性萎縮が指摘され紹介。
【初診時画像検査】CT:膵尾部に限局性の萎縮を認める。EUS:膵尾部で膵実質の菲薄化し、同部で主膵管は不明瞭となる。淡い低エコーや低エコー腫瘤は指摘できない。尾側の主膵管は2mmと軽度拡張。MRCP:膵萎縮部に一致して膵管の狭窄を認める。
【初診時方針】膵尾部CISを疑いSPACEを行った。癌ほどの異型度を呈する細胞は認めず、細胞診class3aの判断であった。CISを強く疑っていたため再度SPACEを行うも同様の結果であり、非腫瘍性病変や低異形度PanINまでの病態と考え6か月ごとの画像検査での経過観察とした。
【手術前画像検査】初診より3年6か月後、画像変化を認めたため各種検査を再検した。CT:萎縮の範囲の増大を認める。MRI:尾側の主膵管の拡張のわずかな増悪を認める。狭窄部に腫瘤は認めず、DWIで信号低下をきたす領域は認めない。EUS:主膵管拡張の軽度の増悪と狭窄部に一致して淡い低エコー領域の出現を認める。
【方針】以上よりCISやTS1膵癌への進展を考え、SPACEの再検を行った。細胞診にて癌疑い(class3b)が検出され、膵体尾部切除術を行った。病理組織学的に狭窄部を中心に4㎝の範囲でCISを認め、また狭窄部に一致して高度の膵実質の萎縮/線維化を認めた。浸潤癌は認めなかった。
【検討項目】初回/2回目の細胞診と3回目の細胞診で悪性度に増悪は認めますか。当院の方針の妥当性はいかがですか。
