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79歳男性。7年前のドックUSにて多発する嚢胞と膵尾部主膵管の軽度拡張を指摘され、精査目的にMRIとCTが施行された。MRIでは、T2WIで膵尾部主膵管に極軽度の拡張を認めた。脂肪抑制T1WIでは拡張起始部に明らかな腫瘤は認めなかったものの腹側の軽度限局性萎縮を認めた。また、DWIで拡散制限は認めなかった。以上よりMRIを中心に半年毎の画像フォローの方針となった。以降、画像所見では著変を認めなかったが、外来担当医交代を機に初回指摘から7年後にEUSが施行された。EUSでは膵体尾部に限局性の主膵管狭窄を認め、膵管壁の肥厚と連続して背側に10 mmの低エコー腫瘤像を認めた。SPACE目的にERPを施行し、膵体尾部主膵管の狭窄を確認し、同部を越えてENPDtubeを留置した。細胞診では、適正検体6回中1回で異型/鑑別困難(悪性を指示する所見)であり、EUS所見と併せ上皮内癌から浸潤した膵癌と診断し、腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した。
標本USでは、主膵管狭窄と膵管壁の肥厚に連続する背側の低エコー腫瘤像を確認した。標本造影では、主膵管狭窄部の壁不整像と尾側膵管の口径不同を散在性に認めた。病理所見は、狭窄部主膵管内に低乳頭状のPanIN病変があり、周囲分枝にPanIN病変と近傍に線維性間質を伴う浸潤性膵管癌を認めた。また、膵の広範囲にわたりPanIN病変が存在していた。
O-15 EUSが診断契機となった膵体尾部癌の1例
○船登 智將1)、真口 宏介1,2)、中路 聡1)、白鳥 俊康1)、吉村 茂修1)、川満 菜津貴1)、井上 薪1)、吉岡 航1)、西脇 拓郎1)、蘆川 尭1)
1)亀田総合病院 消化器内科、2)手稲渓仁会病院 教育研究センター
79歳男性。7年前のドックUSにて多発する嚢胞と膵尾部主膵管の軽度拡張を指摘され、精査目的にMRIとCTが施行された。MRIでは、T2WIで膵尾部主膵管に極軽度の拡張を認めた。脂肪抑制T1WIでは拡張起始部に明らかな腫瘤は認めなかったものの腹側の軽度限局性萎縮を認めた。また、DWIで拡散制限は認めなかった。以上よりMRIを中心に半年毎の画像フォローの方針となった。以降、画像所見では著変を認めなかったが、外来担当医交代を機に初回指摘から7年後にEUSが施行された。EUSでは膵体尾部に限局性の主膵管狭窄を認め、膵管壁の肥厚と連続して背側に10 mmの低エコー腫瘤像を認めた。SPACE目的にERPを施行し、膵体尾部主膵管の狭窄を確認し、同部を越えてENPDtubeを留置した。細胞診では、適正検体6回中1回で異型/鑑別困難(悪性を指示する所見)であり、EUS所見と併せ上皮内癌から浸潤した膵癌と診断し、腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した。
標本USでは、主膵管狭窄と膵管壁の肥厚に連続する背側の低エコー腫瘤像を確認した。標本造影では、主膵管狭窄部の壁不整像と尾側膵管の口径不同を散在性に認めた。病理所見は、狭窄部主膵管内に低乳頭状のPanIN病変があり、周囲分枝にPanIN病変と近傍に線維性間質を伴う浸潤性膵管癌を認めた。また、膵の広範囲にわたりPanIN病変が存在していた。
