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【はじめに】IgG4関連疾患に伴う骨病変は稀であり2019年ACR/EULAR IgG4関連疾患分類基準においても長管骨異常はExclusion Criteriaに含まれている。
【症例】50歳台男性。黄疸、倦怠感にて当科紹介となった。下肢痛もあり、近医で腰部脊柱管狭窄症が疑われていた。T-bil 5.1mg/dlと上昇を認め、造影CTでは膵のびまん性腫大並びに下部胆管での閉塞が疑われた。血清IgG4 350mg/dlと上昇を認めた。同日ERCPを施行し、下部胆管に狭窄を認めプラスチックステント留置を行った。EUSでは膵はびまん性に低エコー化を認め、22G針にて穿刺を行ったところ膵線維化並びにリンパ球形質細胞浸潤を認めIgG4 33個/HPFであり、自己免疫性膵炎と診断した。PET-CT、骨シンチでは左右頭蓋骨、右腸骨、左大腿骨骨幹部、右上腕骨遠位部、両側脛骨骨幹部に集積増加が認められた。頭部MRIでは頭蓋骨病変はT1強調画像低信号、T2強調画像高信号を呈し、増強効果を認め、一部硬膜の肥厚を認めた。脳外科にて頭蓋骨および硬膜の生検を行ったところ、骨髄腔に線維化が目立ち、局所的に形質細胞の小集族性浸潤・増殖を認め、IgG4陽性細胞32個/HPF、IgG4/IgG陽性細胞比43%で、IgG4関連疾患として矛盾しない組織像であった。PSL30mg/日で治療開始したところ、翌日より下肢痛、倦怠感、ときに認めた頭痛も改善した。PET-CTでは骨への多発FDG集積は著明に改善し、膵腫大も改善した。
【討論したい内容】IgG4関連骨病変について
O-16 頭蓋骨・長管骨病変を合併したIgG4関連疾患の1例
○矢野 正明、井城 敬一郎、湊 友佑、西野 美智子、中井 亮太郎、辻 宏和
黒部市民病院 消化器内科
【はじめに】IgG4関連疾患に伴う骨病変は稀であり2019年ACR/EULAR IgG4関連疾患分類基準においても長管骨異常はExclusion Criteriaに含まれている。
【症例】50歳台男性。黄疸、倦怠感にて当科紹介となった。下肢痛もあり、近医で腰部脊柱管狭窄症が疑われていた。T-bil 5.1mg/dlと上昇を認め、造影CTでは膵のびまん性腫大並びに下部胆管での閉塞が疑われた。血清IgG4 350mg/dlと上昇を認めた。同日ERCPを施行し、下部胆管に狭窄を認めプラスチックステント留置を行った。EUSでは膵はびまん性に低エコー化を認め、22G針にて穿刺を行ったところ膵線維化並びにリンパ球形質細胞浸潤を認めIgG4 33個/HPFであり、自己免疫性膵炎と診断した。PET-CT、骨シンチでは左右頭蓋骨、右腸骨、左大腿骨骨幹部、右上腕骨遠位部、両側脛骨骨幹部に集積増加が認められた。頭部MRIでは頭蓋骨病変はT1強調画像低信号、T2強調画像高信号を呈し、増強効果を認め、一部硬膜の肥厚を認めた。脳外科にて頭蓋骨および硬膜の生検を行ったところ、骨髄腔に線維化が目立ち、局所的に形質細胞の小集族性浸潤・増殖を認め、IgG4陽性細胞32個/HPF、IgG4/IgG陽性細胞比43%で、IgG4関連疾患として矛盾しない組織像であった。PSL30mg/日で治療開始したところ、翌日より下肢痛、倦怠感、ときに認めた頭痛も改善した。PET-CTでは骨への多発FDG集積は著明に改善し、膵腫大も改善した。
【討論したい内容】IgG4関連骨病変について
