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O-17 IgG4関連硬化性胆管炎で加療中に原発性硬化性胆管炎に移行した一例

○乾 航、大畠 昭彦、景岡 正信、丸山 保彦、吉井 重人、寺井 智宏、星野 弘典、草間 大輔、丸山 巧、杉本 祥拓
藤枝市立総合病院 消化器内科


【症例】60歳代の女性。
 肝機能異常を認め近医より紹介受診となった。CT、EUSで肝外胆管の壁肥厚とMRCPで肝外胆管の軽度拡張を認めた。ERCでは膵内胆管の狭細化を認め、IgG4 89.2mg/dlであったが、胆管生検で高度のリンパ球浸潤、IgG4陽性形質細胞40/HPFであり、IgG4-SC準確診であった。同時に右側結腸優位の潰瘍性大腸炎(UC)も見つかり、ステロイド+免疫調整剤による治療を行った。肝機能は改善されたが、MRCP上は大きな改善は認めなかった。約2年経過し肝機能再増悪を認めた。MRCP、ERCで肝内胆管が枯れ枝状、数珠状の狭細化を認めPSCを疑う所見であった。肝生検ではonion skin lesionは認めないものの、線維性胆管炎は認めた。その後はPSC、UCの治療としてステロイド、免疫調整剤、ウルソデオキシコール酸で経過観察中である。
【考察】血清IgG4高値を示すPSCはhigh-IgG4 subtypeとしてPSCの25%にみられ、肝臓や胆管へのIgG4浸潤は20%に認められるとの報告もある。本症例はIgG4の上昇はなかったが、特徴的な画像変化を来しIgG4-SCからPSCの移行と考えられた。
【検討事項】初発時、再燃時の診断はIgG4-SC、PSCでよいか。