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症例は49歳女性。2007年に膵・胆管合流異常を認め、予防的胆嚢摘出術を施行したところ、切除標本で胆嚢癌が明らかとなり、後日追加で肝床切除を施行した(Gf、35×22mm、mod、pT2b、Ly0、V0、Pn0、pN0、cM0、pStageIIB、pEM0、pR0)。その後は胆嚢癌の再発なく経過した。2014年に施行したEUSにて共通管内に長径6mm高さ3mmの高エコーの小隆起を指摘した。IPNBやpapillary foldsを疑ったものの、生検、EST、IDUS等ERCP関連手技で修飾が加わると、腫瘍と診断されなかった場合にその後の評価が困難となると判断し、EUS等で密に経過観察することとした。その後明らかな変化なく経過していたが、2023年(64歳)に施行したEUSにて長径10mm高さ4mmに増大していた。造影CTにて共通管内に造影効果を有する胆管内隆起を認め、拡散強調画像で同部に拡散低下がみられた。ERCPにて共通管内の隆起性病変を認め、造影像及びIDUSで水平進展を疑う所見はなく、隆起部からの生検で腺癌を検出した。cStage I(cT1N0M0)の遠位胆管癌の診断で、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。切除標本の組織所見は、共通管内に浸潤性増殖を呈さない高異型度の乳頭状腫瘍を認め、膵管合流部から膵管内にわずかに進展していた。最終病理診断は、IPNB with high-grade intraepithelial neoplasia(Acp、15×5mm、wel、pTis、Ly0、V0、Pn0、pN0、cM0、pStage0、pEM0、pR0)であった。その後8ヶ月無再発生存中である。
O-22 長期経過観察後に切除した膵・胆管合流異常を背景とする10mm大の高異型度IPNBの1例
○松岡 裕人1)、菅野 良秀1)、伊藤 啓1)、越田 真介1)、小川 貴央1)、中山 瞬2)、及川 昌也2)、野田 裕3)
1)仙台市医療センター仙台オープン病院 消化管・肝胆膵内科、2)仙台市医療センター仙台オープン病院 消化器外科、3)仙台市医療センター仙台オープン病院 健診センター
症例は49歳女性。2007年に膵・胆管合流異常を認め、予防的胆嚢摘出術を施行したところ、切除標本で胆嚢癌が明らかとなり、後日追加で肝床切除を施行した(Gf、35×22mm、mod、pT2b、Ly0、V0、Pn0、pN0、cM0、pStageIIB、pEM0、pR0)。その後は胆嚢癌の再発なく経過した。2014年に施行したEUSにて共通管内に長径6mm高さ3mmの高エコーの小隆起を指摘した。IPNBやpapillary foldsを疑ったものの、生検、EST、IDUS等ERCP関連手技で修飾が加わると、腫瘍と診断されなかった場合にその後の評価が困難となると判断し、EUS等で密に経過観察することとした。その後明らかな変化なく経過していたが、2023年(64歳)に施行したEUSにて長径10mm高さ4mmに増大していた。造影CTにて共通管内に造影効果を有する胆管内隆起を認め、拡散強調画像で同部に拡散低下がみられた。ERCPにて共通管内の隆起性病変を認め、造影像及びIDUSで水平進展を疑う所見はなく、隆起部からの生検で腺癌を検出した。cStage I(cT1N0M0)の遠位胆管癌の診断で、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。切除標本の組織所見は、共通管内に浸潤性増殖を呈さない高異型度の乳頭状腫瘍を認め、膵管合流部から膵管内にわずかに進展していた。最終病理診断は、IPNB with high-grade intraepithelial neoplasia(Acp、15×5mm、wel、pTis、Ly0、V0、Pn0、pN0、cM0、pStage0、pEM0、pR0)であった。その後8ヶ月無再発生存中である。
