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O-23 短期間で増大を認めたIAPN with low-grade dysplasiaの1例

○木村 かれん1)、小泉 一也1,3)、増田 作栄1)、眞一 まこも1)、窪田 純1)、川原 敏靖2,3)、山上 裕機2,3)、手島 伸一4)
1)湘南鎌倉総合病院 消化器病センター、2)湘南鎌倉総合病院 肝胆膵外科、3)湘南鎌倉総合病院 膵がんセンター、4)湘南鎌倉総合病院 病理診断部


 70代女性。心窩部痛にて施行した腹部CTで乳頭近傍の胆管内に造影効果を伴う10mm大の腫瘤性病変を認め、EUSでも内部不均一な低エコー腫瘤を認めた。ERC時、主乳頭口側隆起は粘膜下腫瘤様に隆起しており、開口部付近にわずかな白色調の顆粒状変化を認めた。胆管造影にて乳頭近傍に辺縁不整な陰影欠損像を認めた。乳頭部からの生検ではadenomaであったが、胆管内からの生検は軽度異型上皮のみであった。ERC再検時の胆道鏡下生検では胆管内病変もadenomaであった。手術を希望されず経過観察となったが、約5ヶ月後のCT,EUSにて腫瘤性病変は20mmと増大しており、ERCでも増大を認めた。再施行した胆道鏡下生検でもadenomaの診断であったが、比較的短期間で増大傾向であることから悪性の可能性について再度説明しSSPPD施行となった。病理組織学的検査では、乳頭状、管状配列を示して増生した高円柱状の腺管上皮が乳頭部胆管を主座として共通管、乳頭部膵管、遠位胆管に広がっており、細胞異型は軽度でIntra-ampullary papillary-tubular neoplasm (IAPN) with low-grade dysplasiaと最終診断した。
【検討項目】IAPN with low-grade dysplasiaの診断ならびにlow-gradeにも関わらず比較的短期間で増大したことについて。