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【症例】80歳代男性。
【経過】X-13年よりMRCPにて混合型IPMNを定期的に経過観察していた。X年、経過観察目的のEUSを施行したところ、拡張した膵体部膵管内に10mm大の低エコーで境界明瞭な結節様の充実成分を認めた。腹部造影CTでは、結節は早期濃染を呈し、IPMCやhigh-grade dysplasiaが疑われ、ERCP及び膵液細胞診を施行した。膵液細胞診では核偏在傾向、核形不整でPAS染色陽性の粘液を有する細胞集塊を認めた。IPMC (cT1N0M0、cStage ⅠA)と診断し、脾合併膵体尾部切除術を施行した。病理組織学的には、主膵管及び分枝膵管は嚢胞状に拡張し、乳頭状構造を呈する膵管上皮を認めた。大部分の上皮細胞は高円柱状で細胞内粘液を有しており、IPMNと考えられた。充実部分の腫瘍は境界明瞭で、腫瘍細胞は腺管構造、索状構造、充実胞巣状構造をとり淡好酸性の顆粒状胞体を有した。核は楕円形で大小顆粒状のクロマチンがみられた。核分裂像は高倍率10視野で0個、免疫染色ではChromogranin A、Synaptophysin、CD56が陽性でKi-67指数は2%未満であり、混合型IPMNに合併したNET G1と診断した。リンパ管浸潤、静脈浸潤、神経浸潤、他臓器への浸潤のいずれも認めず、断端陰性であった。術後経過は良好であり、術後14日目に退院となった。
【結語】混合型IPMNに合併し術前診断が困難であった膵NETの一例を経験したので報告する。
【検討】術前より膵NETが診断可能であったかどうかご検討頂きたい。
O-27 混合型膵管内乳頭粘液性腫瘍に合併し術前診断が困難であった膵神経内分泌腫瘍の一切除例
○岩井 佑太1)、香川 幸一1)、窪田 賢輔2)、白幡 慶太1)、古田 祐樹1)、福井 諒1)、田中 優作1)、伊藤 高章1)、岡沢 啓1)、関 博章3)
1)けいゆう病院 消化器内科、2)横浜市立大学附属病院 内視鏡センター、3)けいゆう病院 一般・消化器外科
【症例】80歳代男性。
【経過】X-13年よりMRCPにて混合型IPMNを定期的に経過観察していた。X年、経過観察目的のEUSを施行したところ、拡張した膵体部膵管内に10mm大の低エコーで境界明瞭な結節様の充実成分を認めた。腹部造影CTでは、結節は早期濃染を呈し、IPMCやhigh-grade dysplasiaが疑われ、ERCP及び膵液細胞診を施行した。膵液細胞診では核偏在傾向、核形不整でPAS染色陽性の粘液を有する細胞集塊を認めた。IPMC (cT1N0M0、cStage ⅠA)と診断し、脾合併膵体尾部切除術を施行した。病理組織学的には、主膵管及び分枝膵管は嚢胞状に拡張し、乳頭状構造を呈する膵管上皮を認めた。大部分の上皮細胞は高円柱状で細胞内粘液を有しており、IPMNと考えられた。充実部分の腫瘍は境界明瞭で、腫瘍細胞は腺管構造、索状構造、充実胞巣状構造をとり淡好酸性の顆粒状胞体を有した。核は楕円形で大小顆粒状のクロマチンがみられた。核分裂像は高倍率10視野で0個、免疫染色ではChromogranin A、Synaptophysin、CD56が陽性でKi-67指数は2%未満であり、混合型IPMNに合併したNET G1と診断した。リンパ管浸潤、静脈浸潤、神経浸潤、他臓器への浸潤のいずれも認めず、断端陰性であった。術後経過は良好であり、術後14日目に退院となった。
【結語】混合型IPMNに合併し術前診断が困難であった膵NETの一例を経験したので報告する。
【検討】術前より膵NETが診断可能であったかどうかご検討頂きたい。
