室内の明るさに合わせてページ背景の明るさを調整してください。
症例は70歳代男性、腹痛を主訴に受診され総胆管結石と診断後、治療目的で紹介となった。当院受診時には症状は改善し、血液検査はCA19-9 10.8U/mL、CEA 1.7ng/mLであった。単純CTでは軽度の総胆管の拡張と遠位胆管内に小結石を認め、MRCPでも総胆管内に小結石を認めた。結石除去目的にERCPを行う方針となった。ERCP施行前にスクリーニング目的に施行したEUSで、乳頭直上の遠位胆管に片側性の不正な壁肥厚を認めた。続いて胆道造影を行うと乳頭から約20mmにわたり胆管狭窄と思われる所見を認めたため、EST施行後に遠位胆管から生検を行ったところAdenocarcinomaの所見を認めた。PET-CTを行うと遠位胆管にFDGの集積を認めたが、ERCP後に行った造影CTでは腫瘍性病変を指摘することはできなかった。遠位胆管癌と診断し膵頭十二指腸切除を行った。病理検査では遠位胆管から乳頭部にかけて胆管壁の肥厚を認め、肥厚部分の上皮にはクロマチン濃染性で腫大した核を有する異型細胞が腺管状、一部では融合腺管状に増殖し高分化型管状腺癌の所見であった。最終診断は、腫瘍径15×13mm、pStageⅠ(pT1(M), pN0, pM0)遠位胆管癌となった。
EUS像と術前検査で、遠位胆管癌を疑う所見の有無について御討議頂きたい。
O-7 超音波内視鏡で発見に至った遠位胆管癌の1例
○谷川 朋弘1)、浦田 矩代1)、石井 克憲1)、髙岡 宗徳2)、浦上 淳2)、秋山 隆3)、河本 博文1)
1)川崎医科大学 総合医療センター、2)川崎医科大学 総合外科学、3)川崎医科大学 病理学1
症例は70歳代男性、腹痛を主訴に受診され総胆管結石と診断後、治療目的で紹介となった。当院受診時には症状は改善し、血液検査はCA19-9 10.8U/mL、CEA 1.7ng/mLであった。単純CTでは軽度の総胆管の拡張と遠位胆管内に小結石を認め、MRCPでも総胆管内に小結石を認めた。結石除去目的にERCPを行う方針となった。ERCP施行前にスクリーニング目的に施行したEUSで、乳頭直上の遠位胆管に片側性の不正な壁肥厚を認めた。続いて胆道造影を行うと乳頭から約20mmにわたり胆管狭窄と思われる所見を認めたため、EST施行後に遠位胆管から生検を行ったところAdenocarcinomaの所見を認めた。PET-CTを行うと遠位胆管にFDGの集積を認めたが、ERCP後に行った造影CTでは腫瘍性病変を指摘することはできなかった。遠位胆管癌と診断し膵頭十二指腸切除を行った。病理検査では遠位胆管から乳頭部にかけて胆管壁の肥厚を認め、肥厚部分の上皮にはクロマチン濃染性で腫大した核を有する異型細胞が腺管状、一部では融合腺管状に増殖し高分化型管状腺癌の所見であった。最終診断は、腫瘍径15×13mm、pStageⅠ(pT1(M), pN0, pM0)遠位胆管癌となった。
EUS像と術前検査で、遠位胆管癌を疑う所見の有無について御討議頂きたい。
