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症例は71歳女性。X年9月子宮体癌に対し単純子宮全摘・両側付属器切除術・リンパ節郭清を施行した。X+2年2月に骨盤内リンパ節転移にて再発し同年3月よりLenvatinib・Pembrolizumabにて化学療法を開始し、同年8月からはPembrolizumab単独療法とした。X+3年3月、血清膵酵素の上昇を認め、CEA 3.6ng/ml, CA19-9 4.5U/ml,IgG4 39mg/dLであった。造影CTでは膵頭部に35mm、膵体尾部に17mm、膵最尾側に25m大の遅延性に濃染される腫瘤を認めた。MRIでは腫瘤はT1WIでは低信号、T2WIでは等信号を呈し、明らかな拡散制限は認めなかった。MRCPでは主膵管は膵頭部と膵体尾部の腫瘤により途絶し膵体部と尾部膵管の拡張を認めた。PET-CTではSUV max 5.0程度の腫瘤状の集積が多発していた。EUSでは内部にhyperechoic fociとstrandingを伴う境界不明瞭な低エコー腫瘤として描出され、CH-EUSではhypoenhancementを呈した。EUS-FNAでは、リンパ球浸潤と線維化を伴った膵組織を認め、腺房細胞は消失していた。免疫染色ではIgG4陽性細胞は2個/HPF,Podoplanin陰性。膵炎の原因となり得る他の病態は認めず、Pembrolizumabによる腫瘤形成性のirAE膵炎Grade2 (CTCAE)と診断し、X+3年7月PSL 1mg/kg/日を導入した。X+3年8月の造影CTでは膵腫瘤は縮小し、MRCPでは主膵管に途絶はなく拡張も認めなかった。PSLは漸減しX+4年1月に中止、X+4年2月の造影CTでは膵腫瘤は消失していた。
診断はirAE膵炎でよいかを討議したい。
P-21 Pembrolizumabによる多発腫瘤形成を伴うirAE膵炎の一例
○高柳 卓矢1)、松本 彰太2)、春日 範樹2)、関野 雄典2)
1)大森赤十字病院 消化器内科、2)横浜労災病院 消化器内科
症例は71歳女性。X年9月子宮体癌に対し単純子宮全摘・両側付属器切除術・リンパ節郭清を施行した。X+2年2月に骨盤内リンパ節転移にて再発し同年3月よりLenvatinib・Pembrolizumabにて化学療法を開始し、同年8月からはPembrolizumab単独療法とした。X+3年3月、血清膵酵素の上昇を認め、CEA 3.6ng/ml, CA19-9 4.5U/ml,IgG4 39mg/dLであった。造影CTでは膵頭部に35mm、膵体尾部に17mm、膵最尾側に25m大の遅延性に濃染される腫瘤を認めた。MRIでは腫瘤はT1WIでは低信号、T2WIでは等信号を呈し、明らかな拡散制限は認めなかった。MRCPでは主膵管は膵頭部と膵体尾部の腫瘤により途絶し膵体部と尾部膵管の拡張を認めた。PET-CTではSUV max 5.0程度の腫瘤状の集積が多発していた。EUSでは内部にhyperechoic fociとstrandingを伴う境界不明瞭な低エコー腫瘤として描出され、CH-EUSではhypoenhancementを呈した。EUS-FNAでは、リンパ球浸潤と線維化を伴った膵組織を認め、腺房細胞は消失していた。免疫染色ではIgG4陽性細胞は2個/HPF,Podoplanin陰性。膵炎の原因となり得る他の病態は認めず、Pembrolizumabによる腫瘤形成性のirAE膵炎Grade2 (CTCAE)と診断し、X+3年7月PSL 1mg/kg/日を導入した。X+3年8月の造影CTでは膵腫瘤は縮小し、MRCPでは主膵管に途絶はなく拡張も認めなかった。PSLは漸減しX+4年1月に中止、X+4年2月の造影CTでは膵腫瘤は消失していた。
診断はirAE膵炎でよいかを討議したい。