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【症例】84歳、女性
【現病歴】82歳時に右上葉肺癌に対し、右上葉切除およびリンパ節郭清を施行した。混合型大細胞神経内分泌癌 pT2aN0M0 StageⅠBの診断であり、術後化学療法を施行したが有害事象により1コースで中止となった。術後2年目に撮影したMRIで胆嚢頸部から体部にかけて2.5cm大のT2強調画像で低信号、拡散強調像では高信号、ADC mapでは低信号を呈する結節状の隆起性病変を認めた。造影CTでは胆嚢頸部から体部にかけて造影効果を伴う結節状の隆起性病変を認め漿膜下層への浸潤が疑われた。また、#12b リンパ節も腫大していた。EUSでは胆嚢頸部から体部にかけて広基性の隆起性病変を認め、外層高エコー層は途絶し漿膜下層深層への浸潤が疑われた。以上の所見から術前診断は胆嚢癌 cT2bN1M0 StageⅢBと考え、開腹胆嚢摘出術およびリンパ節郭清を施行した。術後病理診断では、胆嚢頸部に全周性の2.5×3.5×1.3cmの結節状腫瘍を認め、組織学的には大部分が低分化型で一部中分化型の腺癌からなっており、免疫染色でCEA陽性、CD56一部陽性、クロモグラニンA陽性、シナプトフィジン陽性、Ki67陽性率50%であり、腺癌分化を伴った大細胞型神経内分泌癌が想定された。また、TTF-1陽性で肺癌組織と類似していることから、肺癌胆嚢転移と診断した。
【結語】肺癌胆嚢転移の貴重な1例を経験したので報告する。
【討議して欲しい点】術前の画像所見で、胆嚢癌原発と肺癌胆嚢転移の鑑別が可能か?
P-26 肺癌胆嚢転移の1例
○小田 貴之1)、鈴木 雅人1)、友成 悠邦1)、藤井 義郎2)
1)横浜医療センター 消化器内科、2)横浜医療センター 外科
【症例】84歳、女性
【現病歴】82歳時に右上葉肺癌に対し、右上葉切除およびリンパ節郭清を施行した。混合型大細胞神経内分泌癌 pT2aN0M0 StageⅠBの診断であり、術後化学療法を施行したが有害事象により1コースで中止となった。術後2年目に撮影したMRIで胆嚢頸部から体部にかけて2.5cm大のT2強調画像で低信号、拡散強調像では高信号、ADC mapでは低信号を呈する結節状の隆起性病変を認めた。造影CTでは胆嚢頸部から体部にかけて造影効果を伴う結節状の隆起性病変を認め漿膜下層への浸潤が疑われた。また、#12b リンパ節も腫大していた。EUSでは胆嚢頸部から体部にかけて広基性の隆起性病変を認め、外層高エコー層は途絶し漿膜下層深層への浸潤が疑われた。以上の所見から術前診断は胆嚢癌 cT2bN1M0 StageⅢBと考え、開腹胆嚢摘出術およびリンパ節郭清を施行した。術後病理診断では、胆嚢頸部に全周性の2.5×3.5×1.3cmの結節状腫瘍を認め、組織学的には大部分が低分化型で一部中分化型の腺癌からなっており、免疫染色でCEA陽性、CD56一部陽性、クロモグラニンA陽性、シナプトフィジン陽性、Ki67陽性率50%であり、腺癌分化を伴った大細胞型神経内分泌癌が想定された。また、TTF-1陽性で肺癌組織と類似していることから、肺癌胆嚢転移と診断した。
【結語】肺癌胆嚢転移の貴重な1例を経験したので報告する。
【討議して欲しい点】術前の画像所見で、胆嚢癌原発と肺癌胆嚢転移の鑑別が可能か?