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P-4 進行する限局性膵萎縮を契機に発見された膵上皮内癌の1例

○西山 秀1)、比佐 岳史1)、坂田 正梧1)、伊藤 唯1)、工藤 彰治1)、山田 崇裕1)、大瀬良 省三1)、福島 秀樹1)、堀内 尭2)、塩澤 哲3)
1)佐久医療センター 消化器内科、2)佐久医療センター 消化器外科、3)佐久医療センター 病理診断科


【症例】70歳台、男性。X-9年のCTで膵頭体部に最大径5mm程度の嚢胞性病変を複数指摘された。X-5年のCTでは嚢胞性病変に著変はなかった。X-1年のCTで膵体部に限局性膵萎縮が出現し、X年のCTで同部の膵萎縮が進行したため、精査目的に当院紹介となった。単純MRIでは膵全体に5mm以下の嚢胞が散在していたが、明らかな腫瘤や主膵管狭窄・拡張はなかった。US、EUSでは、CTでの膵体部限局性萎縮部は膵実質の菲薄化および周囲高エコー域として描出されたが、低エコー腫瘤は認めなかった。ERPでは、膵頭部および体部主膵管にわずかな口径不同を認めた。経鼻膵管ドレナージチューブ留置下の連続膵液細胞診では、腺癌が疑われた。上皮内癌あるいは微小浸潤癌を考え、膵頭部主膵管の変化を考慮して膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織学的には、膵体部限局性萎縮部の主膵管に上皮内癌を認めたが、膵頭部に癌はみられなかった。
【討論したいポイント】膵萎縮の進行と上皮内癌の進展の関係について検討したい。