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P-9 浸潤性膵管癌と術前診断した膵神経内分泌腫瘍G2の1例

○福井 奈奈子、杉森 聖司、森 菜都子、池田 哲也、山口 翼、坂田 侑平、奥田 博朗、平田 直人、山崎 智朗、根引 浩子
大阪市立総合医療センター 消化器内科


 症例は87歳女性。当院呼吸器外科でX-6年に肺癌の手術を行いその後毎年CTで経過観察されていた。X年に単純CTで膵体尾部主膵管拡張の出現を認め、当科紹介となった。造影CTで膵頭体移行部に15mm大の乏血性腫瘤を認め、尾側主膵管が拡張していた。MRIでは腫瘍はT1WIで等信号、T2WIで等信号、拡散強調像で高信号、MRCPでは膵頭体移行部に主膵管の途絶、その尾側主膵管の拡張を認めた。EUSでは膵頭体移行部に15mm大の内部不均一で無エコー域を伴う低エコー腫瘤を認め、その尾側の主膵管は3mmに軽度拡張していた。以上の画像所見より浸潤性膵管癌と診断した。EUS-FNAは穿刺ルートが嚢胞を介するため適応外と判断した。高齢のため術前化学療法は行わずに当院消化器外科でロボット支援下膵体尾部切除術を施行した。病理標本では17mm大の多結節状の腫瘤性病変を認め、一部膵管を圧排した所見を認めた。免疫染色ではsynaptophysin(+)でKi-67陽性率は7.7%であり、最終病理診断は神経内分泌腫瘍(NET,G2)であった。術前画像診断、病理所見についてご討議いただきたい。