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【症例】80歳代、男性。X-11年より毎年、当院人間ドックUSを受検していた。X-3年にドックUSで膵体部に20mm大の低エコー腫瘤が疑われ当科紹介となったが、単純MRI, EUSでは腫瘤や主膵管拡張はなかった。一方、膵頭体部の一部はMRIで索状に萎縮し、同部は EUSにて索状低エコーとして描出された。限局性膵萎縮と判断され、ERCPを提案したが希望はなく、半年毎のUS、1年毎の単純MRIによる経過観察となった。X年のドックUSで膵尾部主膵管拡張を指摘されたが、単純MRI、造影CTでは主膵管の閉塞起点は不明瞭であった。EUSでは膵体部の萎縮部に9mm大の不整形低エコー腫瘤を認め、その上流主膵管は拡張していた。EUS-FNAは拡張主膵管の回避が困難であり断念した。ERCPでは完全型膵管癒合不全を認め、膵体部主膵管が狭窄していた。経鼻膵管ドレナージチューブ留置下の膵液細胞診で腺癌が検出された。浸潤性膵管癌と診断し、膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織学的に、腫瘤は浸潤性膵管癌(pT3N1aM0, pStage IIB)であり、膵萎縮部の主膵管内にはhigh-grade PanINが広範に存在していた。
【検討事項】画像および組織学的に、膵萎縮部のhigh-grade PanINからの浸潤癌発生でよいでしょうか。
PL-2 限局性膵萎縮の経過観察中に出現した浸潤性膵管癌の1例
○坂田 正梧、比佐 岳史、伊藤 唯、西山 秀、工藤 彰治、山田 崇裕、大瀬良 省三、福島 秀樹
佐久医療センター 消化器内科
【症例】80歳代、男性。X-11年より毎年、当院人間ドックUSを受検していた。X-3年にドックUSで膵体部に20mm大の低エコー腫瘤が疑われ当科紹介となったが、単純MRI, EUSでは腫瘤や主膵管拡張はなかった。一方、膵頭体部の一部はMRIで索状に萎縮し、同部は EUSにて索状低エコーとして描出された。限局性膵萎縮と判断され、ERCPを提案したが希望はなく、半年毎のUS、1年毎の単純MRIによる経過観察となった。X年のドックUSで膵尾部主膵管拡張を指摘されたが、単純MRI、造影CTでは主膵管の閉塞起点は不明瞭であった。EUSでは膵体部の萎縮部に9mm大の不整形低エコー腫瘤を認め、その上流主膵管は拡張していた。EUS-FNAは拡張主膵管の回避が困難であり断念した。ERCPでは完全型膵管癒合不全を認め、膵体部主膵管が狭窄していた。経鼻膵管ドレナージチューブ留置下の膵液細胞診で腺癌が検出された。浸潤性膵管癌と診断し、膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織学的に、腫瘤は浸潤性膵管癌(pT3N1aM0, pStage IIB)であり、膵萎縮部の主膵管内にはhigh-grade PanINが広範に存在していた。
【検討事項】画像および組織学的に、膵萎縮部のhigh-grade PanINからの浸潤癌発生でよいでしょうか。
