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79歳男性、X-8年膵腫大で自己免疫性膵炎も疑われたがIgG,IgG4正常で組織検査は行わずMRIとUSでフォロー。X-7年に胆管結石で内視鏡的乳頭切開切石。X-2年6月USで膵尾部小嚢胞増大と主膵管拡張(3.8→4.4mm/y)がみられたが造影CTで腫瘍指摘されず、同年12月MRIでは著変なく経過観察。X-1年6月USで主膵管拡張の進行(6.1mm)、同年12月MRIで乳頭部近傍の主膵管内占拠病変と尾側膵管拡張、造影CTで主膵管内に鋳型状腫瘍を指摘された。EUSでは主乳頭から主膵管に約30mm、胆管に約10mm進展する低エコー腫瘤がみられ、ソナゾイドで早期濃染・早期washoutであった。内視鏡では主乳頭から腫瘍が露出し生検で高分化管状腺癌と診断され、ITPN等を疑いX年3月にLPDを行った。
切除標本では主乳頭から主膵管内を充満する腫瘍がみられ、組織学的に高円柱状で異型が強く管状乳頭状構造を呈していた。細胞質内粘液は乏しく、CDX2+, MUC1-, MUC2-, MUC5AC-, MUC6-であった。周囲間質には微小浸潤が、開口部十二指腸粘膜には管状腺腫類似の病変が連続性に拡がっていた。以上より、乳頭部膵管を原発とする微小浸潤を伴うITPNと診断した。ITPNの及ばない膵断端近傍の主膵管にはHigh-grade PanINがみられた。
【検討頂きたい点】
1.微小浸潤を伴うITPNでよいか?
2.原発部位は乳頭部膵管Apか?
3.主膵管High-grade PanINとITPNとの関連性は?
4.画像フォローによる切除時期は妥当か?
PL-4 8年間のAIP疑フォロー中に発見された微小浸潤を伴う乳頭部膵管Apから発生した微小浸潤を伴うITPNの1例
○細部 大貴1)、北川 裕久1)、武藤 純1)、増井 俊彦1)、河本 和幸1)、石田 悦嗣2)、能登原 憲司3)
1)公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 外科、2)公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 消化器内科、3)公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 病理診断科
79歳男性、X-8年膵腫大で自己免疫性膵炎も疑われたがIgG,IgG4正常で組織検査は行わずMRIとUSでフォロー。X-7年に胆管結石で内視鏡的乳頭切開切石。X-2年6月USで膵尾部小嚢胞増大と主膵管拡張(3.8→4.4mm/y)がみられたが造影CTで腫瘍指摘されず、同年12月MRIでは著変なく経過観察。X-1年6月USで主膵管拡張の進行(6.1mm)、同年12月MRIで乳頭部近傍の主膵管内占拠病変と尾側膵管拡張、造影CTで主膵管内に鋳型状腫瘍を指摘された。EUSでは主乳頭から主膵管に約30mm、胆管に約10mm進展する低エコー腫瘤がみられ、ソナゾイドで早期濃染・早期washoutであった。内視鏡では主乳頭から腫瘍が露出し生検で高分化管状腺癌と診断され、ITPN等を疑いX年3月にLPDを行った。
切除標本では主乳頭から主膵管内を充満する腫瘍がみられ、組織学的に高円柱状で異型が強く管状乳頭状構造を呈していた。細胞質内粘液は乏しく、CDX2+, MUC1-, MUC2-, MUC5AC-, MUC6-であった。周囲間質には微小浸潤が、開口部十二指腸粘膜には管状腺腫類似の病変が連続性に拡がっていた。以上より、乳頭部膵管を原発とする微小浸潤を伴うITPNと診断した。ITPNの及ばない膵断端近傍の主膵管にはHigh-grade PanINがみられた。
【検討頂きたい点】
1.微小浸潤を伴うITPNでよいか?
2.原発部位は乳頭部膵管Apか?
3.主膵管High-grade PanINとITPNとの関連性は?
4.画像フォローによる切除時期は妥当か?
